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衆議院予算委員会の実況解説(2020年1月27日)

 みなさんこんにちは、立憲民主党・衆議院東京都第9区総支部長(衆議院の、東京9区(練馬区)の、立憲民主党の立候補予定者)の、山岸一生です。

27日から、予算委員会での論戦が始まりました。衆院の審議を実況解説しました。ダイジェストでまとめます。

質問者は、大串博志さんです。選択的夫婦別姓をめぐるヤジ問題です。
大串さん「時代に逆行する、心無いヤジだ。事実関係をお述べ頂きたい」
安倍総理に説明を求めます。
安倍総理「総理として立っており、本会議での不規則発言を調査する、コメントする立場でない。その上で、あえて総裁の考えを申し上げれば、森山国対委員長を信頼して対応を任せている。国会の政党間のやりとりにゆだねたい。一般論として、議事進行を妨げる不規則発言はお互いに慎まねばならない」
大串さん、このヤジは、多様性を尊重する政府の方針と矛盾するのではないか、詰めていきます。
安倍総理「多様性を尊重する社会にしていく、それが1億総活躍にもつながっていく、これが政府の立場だ」
この認識、違和感があります。多様性は生産性のため?順番が逆ではないでしょうか。大串さん、総理答弁を受けて、「発言者を擁護しているように見える態度だ」と指摘します。 「多様性は1億総活躍につながる」という総理答弁。あくまで生産性向上・経済成長に役立つ範囲で、多様性を認める、そんなロジックが透けて見えます。

話題は、2閣僚の辞任へ移ります。
河井案里氏の巨額資金問題。
安倍総理「総理として答えることは控える。一般論で、政党本部から政党支部への政治資金の移転は問題がない。個別の事例は答弁を控えたい」
どの不祥事でも、この3文が基本です。
①総理としては控える
②一般論では適正だ
③個別には控える
この作文に中身はありません。
安倍総理が続けます。
「私が、わが党の誰にいくら払ったか述べなければいけないのか、ということはない」
これもよくある論法です。大串さんは河井氏の件と特定して聞いているのに「全部言えというのか」と広げて、さも質問者が無理無体かのように印象付ける、すりかえです。

今井雅人さん、桜を見る会。安倍総理が先日の代表質問で事務所推薦を説明したので、掘り下げています。
今井さん「(総理の)後援会も含め、功績のあった方を推薦している、と。そういう方だけを推薦したのか、広く功績をチェックしたのか」
安倍総理「党も含めて、広く呼びかけた結果だ」
今井さん「安倍事務所で広く『参加しませんか』と声掛けしている。声掛けの時に、功績(の有無)を決めて送っているのか」
安倍総理「事務所で、後援会関係者を含めて、地域で活動する方など(を推薦)。実際の事務所における推薦作業の詳細は承知していない」
今井さん、「後援会」と「地域の功績」の関係を聞いていきます。
安倍総理「詳細は承知していない。後援会において功績のあった方、主な後援会の方は、地域活動をやっている方が多いのが実際だ」
これは、地域の功績だけで招待した人はいない、ということでしょうか?「ベン図」を書いてみました。

ベン図

ベン図が汚くてすみません。「左」だと思っていたら「右」だった、ということでしょうか。後援会と地域活動を分けて推薦しているのではなく、後援会の中にたまたま地域活動をしている人が多かった?ということなら「地域での功績」という推薦の正当性はなくなるのではないでしょうか。

大西健介さん、「桜」からジャパンライフ問題へ。
大西さん「総理は、お父様と親交のあった山口会長と面識があったのではないか」
総理の父、安倍晋太郎外相は、ジャパンライフ側との付き合いを巡り、かつて国会でも取り上げられたことがあります。両者が面会したとされる際、総理は父の秘書官でした。
安倍総理「私は全く記憶がないもので、関係者に聞いて調べたところ、(安倍晋太郎外相と山口氏は)大人数でいて、紹介をいただいた。私自身は同席はしていない。これははっきりいたしておきたい」
記憶がないのに、同席していないと、なぜ言い切れるのでしょうか。
安倍総理「これは関係者から聞いた」
大西さん「非を認めた中曽根氏の態度と、非を認めない総理の態度はあまりに違う」
この問題が取り上げられた当時の中曽根首相、先日亡くなりました。ジャパンライフとの付き合いを謝罪されたと、大西さんが指摘します。
安倍総理「私は山口氏から政治献金を受けたことはない」
大西さん「テレビを見ている、ジャパンライフの被害者の方はがっかりしていると思う」
大西さん、残された時間を、批判でなく政策提言に充てます。
大西「販売預託商法に関する法整備の強化が必要だ。ちょっとでも悪いと思うなら、総理から検討するように指示してもらえないか」
衛藤消費者相「はい、やるつもりで準備している。全力でやったが、力が足りなかったと言われればその通りだ。穴を埋めるべく検討する」
安倍総理「大臣から答弁したようにしっかり検討していく」
大西さん「今まで消費者庁は否定的だったが、法整備して頂けるならやって頂きたい」
前に進めてほしい。

衆院予算委員会が終わりました。「桜」やカジノ、閣僚不祥事では従来通りの答弁が続きました。私たち野党側は、これらの問題は年が明けても幕引きはない、ということを力強く示せました。一方で、質疑内容にはやや既視感もあったように思います。絶え間なくアップデートしていく必要がありそうです。
なお速記の性格上、発言の趣旨は押さえていますが、一言一句正確ではありません。ご了承の上、ご覧ください。本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。

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