山岸一生が安倍晋三首相の内閣改造の本質を読み解く

チェック&バランスの消滅

 安倍晋三首相は2019年9月11日、内閣を改造しました。改造の狙いを、山岸一生さんが分析しました。

萩生田・衛藤両氏に着目

 内閣改造が実施されました。私は、民主的な政権運営に必要な「チェック&バランス」が消滅したことに衝撃を受けました。政権は実に、危険なゾーンに入りました。

 私が注目したのは、小泉進次郎氏ではありません。小泉氏については後に触れる機会があると思いますが、あれは、はっきりいって「目くらまし」です。政権の明白なメッセージは、萩生田光一(衆院当選5回、東京24区)と衛藤晟一(参院当選3回、比例全国)の両氏を初入閣させたことにこそ、あるのです。

 萩生田氏は、加計学園「総理のご意向」問題に関与したとされる人物。衛藤さんは「ミスター日本会議」として官邸中枢で改憲戦略の絵図を書いてきた人物です。この二人の「おともだち中のおともだち」の入閣に、「チェック&バランス」の消滅が示されていると、私は考えます。

 まず萩生田氏。森友学園、加計学園、財務省文書改ざん問題など、2017年から、この政権は長期化に伴う弊害が相次いで起こりました。そのたびに「真摯、丁寧」と繰り返すものの、実態は何も変わらなかった。しかしさすがに、疑惑の本丸である萩生田氏の閣僚起用はできなかった。それに踏み切ったということは、野党やメディアからのチェックは、政権維持にとってもはやダメージではない、と判断したということです。

 これは「一強」を超えて「無敵」だと、自ら宣言しているのと同じです。どんなに不祥事があっても、どんなに問題閣僚が出ても、政権そのものは倒れることはない、と政権は見切ったのです。野党やメディアからの「チェック」によって、権力に一定の抑制が働く。それが「ゲームのルール」でした。しかし、チェックなど無意味だ、やりたいようにやる、その姿勢が萩生田氏の入閣であらわになりました。

 もう一つは「バランス」の消滅です。衛藤晟一氏は、個人的には取材でお世話になったこともあり、「気のいいおじいさん」という一面もあります。しかし、学生時代から50年間、「押し付け憲法」史観に基づいたゴリゴリの改憲論者で、「日本会議」の生みの親の一人と言っていいでしょう。「黒子」の首相補佐官として改憲戦略の後ろに控え、自ら絵をかいたり、あるいは日本会議人脈の官邸へのアクセスを支えてきた。2017年、首相が「9条加憲」を唐突にぶち上げた裏側には、衛藤氏と日本会議による綿密な振り付けがあったことは、すでに報じられています。

 左右の物差しでは「極右」と評価すべき政治家です。ご本人も自負をもって活動して来られたはずなので、この呼び方にご不満はないだろうと思います。だからこそ、黒子として重宝こそすれ、表舞台に出すことはできなかった。それが、安倍首相が学んだバランス感覚のはずでした。ところが今回、その「バランス」を壊してまで、入閣させた。しかも「1億総動員」、失礼「1億総活躍」担当相です。悪いジョークにしか聞こえません。「お友達なのは知っているけれど、入閣はありえないよね」と誰もが思っていた人事を、ついに首相がやってしまったのです。

 野党やメディアからの「チェック」に対しては謙虚であるべき、というルール。そして、あまりに極端な政治的主張には距離を置いて「バランス」をとる。「チェック&バランス」。権力を預かる者の二大原則を、ことごとく破ってしまったのが、今回の改造の本質です。これは私たちの民主主義にとって、またひとつ「柔らかいガードレール」が壊された、ということを意味します。

山岸一生新聞編集後記

 改めまして、皆さん、こんにちは、立憲民主党の山岸一生です。

 選挙期間中はスタッフに編集をお願いしていたこの「山岸一生新聞」。

 選挙が終わって、また山岸一生本人の編集で再開する予定でしたが、約一月ぶりの発行になってしまいました。

 山岸一生新聞をご愛読いただいていた皆さまにはお待たせしました。

 今日、2019年9月11日に行われた安倍晋三首相の内閣改造について、私、山岸一生が政治活動を続ける上で、きちんと自分の考えを表明しておくべきだと考え、記しました。

 また、明日以降、続編を書いていく予定です。

 今後とも、山岸一生新聞をご愛読いただければ幸いです。

 山岸一生Twitterのフォロワーさんが7,000人を超えました。多くの皆さんにフォローしていただき、ありがとうございます。

 それでは、立憲民主党の山岸一生でした。