2019/10/02
こんにちは、立憲民主党の、山岸一生です。
私、山岸一生は、あいちトリエンナーレの「不自由展」再開を歓迎します。
と同時に、「電凸」対策には万全を講じてもらいたいと、心から願います。
これは「不自由展」の円滑な実施のためでもありますが、愛知県庁職員や関係者の皆さんの「こころ」を守るためにこそ、お願いしたい。
私も朝日新聞社の記者時代に、お客様の問い合わせ窓口で一日中、電話を受けたことがあります。
朝日新聞社への電話には、情報提供や、ありがたい建設的な提言もたくさんあります。
でも残念なことに、「匿名の闇」に隠れて、聞くに堪えない言葉を投げつける方もいました。
もちろん「この通話は録音されています」というお決まりのアナウンスは流れます。
これでかなり減ったそうですが、まだ抑止力としては十分ではない、というのが私の理解です。
電凸は、受ける側には大きな精神的負担ですし、業務もはかどりません。
特に電話は1人の人間をずっと拘束しますし、メールに比べて心の痛みは深刻です。
コールセンターのアルバイト、一度やってみた方ならおわかりだと思います。
こうした職種を「感情労働」と呼び、精神のバランスを崩す方も多いと聞いています。
電話がエスカレートする理由は、匿名であることももちろんですが「1対1」であることも大きいと思います。
例えば、バスでは言わないようなクレームも、タクシーの運転手さんには言ってしまう。
自宅の固定電話で家族がいたら言えない言葉も、出先の携帯電話なら言えてしまう。
もしかしたら、あなたにも、そんな経験、ありませんか。
こうした「1対1」の攻撃から、働く人を守るには、「録音の公開」が有効ではないでしょうか。
自分の声がさらされるかもしれない、そう思えば、これまでのような話し方はできないでしょう。
家族や友人に、電凸をしている自分の激高した声をさらしたい人は、そうそう多くはないはずです。
もちろん、実際に行うためには細心の注意が必要です。
愛知県がすでに一部を公開しましたが、やるからには、あらかじめ自動音声で通告しておく必要があります。
さらに、どのような場合なら公開するのか、事前に「基準」をつくって公開しておくべきでしょう。
本当に多種多様な「ご意見」があります。
建設的な提言まで委縮させては、元も子もありません。
最終的に「公表に至るものはなかった」という結論もあるでしょう。
その上でなお、「公表も選択肢の一つ」と宣言しておくことは、有効な抑止力になると思います。
匿名電話は、「人と人」の対等な関係を忘れさせます。
「お客様である私」「正義の鉄槌を下す私」と、「敵の組織の知らないヤツ」という関係だから、どこまでもひどいことが言える。
この関係性を、会話それ自体で解きほぐすのは、理想ではありますが、とても難しいです。
やはり事前の抑止がなにより、大事だと考えます。
「苦情電話」は昔からありましたが、ネット上で呼びかけが拡散する「電凸」は2000年代を通じて盛んになりました。
この間、新興企業はそもそも電話窓口を設けないでリスクを回避する一方、官公庁・マスコミ・メーカーなどは有効な対策を打てずに来ました。
そして2019年夏、「電凸」は一つの成功例を得てしまいました。
とても残念ですが、しかし、「電凸はこれを境に時代遅れになった」という結果に持っていくことは、可能ではないでしょうか。
今年春、弁護士への大量懲戒請求をめぐり、弁護士が請求者を提訴するできごとがありました。
他人を攻撃する者は、自らも反撃される責めを負う。当たり前のルールです。
「電凸」についても当たり前のルールを取り戻し、もう「二匹目のどじょう」はない、という結果をつくっていきたいと思います。
今回の展示の中止をめぐり、日本社会はまたひとつ傷つきましたが、しかし、次につなげることはできます。
愛知県と実行委員会には、表現を守るためにも、そして働く仲間を守るためにも、ギリギリまで策を練っていただきたいと心から願います。
昨日もご案内しましたが、今日、2019年10月2日・水曜日の午後3時・15時から、IWJさんのトークイベントに出演します。
有料になりますが、観覧、視聴はIWJさんにお申し込みください。
政治を志す者として極力、お金のかからない場でお話しすべきですが、今回はIWJさんの活動を支えるチャリティーイベントのため、どうぞご了承いただければ幸いです。
今後も、2019年11月に、土曜日の昼間に皆さんとの対話集会を企画しています。
また、2019年10月31日・木曜日の午後7時・19時から、立憲民主党の仲間、松尾あきひろさんとのイベントを行います。
これらのイベントも、このブログやTwitterでお知らせしていきます。
今日は午後にトークイベントがあるので、早い時間にブログを更新しました。
ちなみに山岸一生のスタッフも、今日の午後は目の手術を受けるそうです。
一週間くらい目が腫れるのであまり目を使う仕事はできないとか。
それでは、立憲民主党の山岸一生でした。