2022/11/21
みなさんこんにちは、立憲民主党の衆議院議員(東京都第9区)選出の山岸一生です。
目次
2022年11月16日、先週水曜日の、衆議院内閣委員会での、私、山岸一生の「マイナンバーカードの活用をめぐる政府の矛盾した姿勢」の質疑に、たくさんの反響をいただきありがとうございます。
Twitterでも「トレンドワード」になるほどの多くの反響をいただきましたし、山岸一生事務所にも多くの皆さんからメールをいただきました。
東京新聞にも取り上げていただきました。
私、山岸一生はこの質疑で、「マイナンバーカードの活用をめぐる政府の矛盾した姿勢」を、政府の公文書をもとに明らかにしました。
今日はこの質疑についてご報告します。
今回の「マイナンバーカードの活用をめぐる政府の矛盾した姿勢」の質疑のきっかけは、まったく別の調査でした。
私は立憲民主党政調会長筆頭補佐として、立憲民主党の政策課題発掘チーム「りっけんチェック」の取り組みに携わっています。
そのテーマの一つで、「公務員の皆さんの働き方」について調べていました。
その中で、ある事実に気が付きました。
それは、
国家公務員の皆さんは、マイナンバーカードを身分証として使っており、首からぶら下げて仕事をしている。
という事実です。
私、山岸一生はまず、「それって怖くないのかな?住所を盗み見られたりしたら、危なくないのかな?」と思いました。
これについて政府に問うと、「『マイナ身分証』の上に“名前と写真のところだけ穴が開いた目隠しカード”をかぶせて住所を隠しています」という説明でした。
個人情報だらけのマイナンバーカードを、物理的に目隠しをかぶせて、四六時中、携帯する。
なんだか違和感テンコ盛りです。
もっと調べてみよう。
さらに取材を重ねている中で、「実は、全部の役所がやっているわけではないんですよ」と、省庁の方からうかがいました。
そこで私、山岸一生は、各省庁に、「おたくは、マイナ身分証についてどうしていますか?」と取材し、マイナ身分証を使用していない省庁には、使わない根拠について説明を求めました。
その結果、開示をいただいた文書が、質疑でも使用した、2015年11月6日付の「国家公務員身分証の個人番号カード一元化における問題点等について」でした。
その文書に書かれていたのは、まさに目を疑う内容でした。
マイナ身分証を使用していない省庁は、マイナ身分証を使った場合、「情報が流出するおそれが飛躍的に増大するほか、職員やその関係者に対する危害・妨害の危険性も高まる」「最悪の場合、秘密情報の流出につながる恐れがある」として、適用の除外を求めていたのです。
これまで数多くの公文書を読んできましたが、このような激しい調子で、政府方針に内部から異議を唱えたものを、見たことがありません。
例えば市民の皆さんの要望書で厳しい内容を拝見することはありますが、これはれっきとした政府の公文書、省庁が作成した文書です。
省庁が、政府方針に厳しい異議を唱える公文書を作成する。
これだけでも極めて異例のことですが、マイナ身分証がいかに危ないか、強い危機感がうかがえる言葉は、職員の安全を預かる省庁の責任者の悲鳴にも近いものでした。
この要請書は、5つの省庁の連名でした。
内閣官房、警察庁、公安調査庁、外務省、防衛省。
いずれも、犯罪捜査や安全保障の観点から、情報管理や職員の個人情報に対して非常にシビアな意識を持っている省庁です。
私はこの文書を読んで「もっともだな」と思うと同時に、疑問がわいてきました。
この要望書が作成されたのは2015年、マイナ身分証は2016年から導入されています。
政府は、会社の社員証として使ってほしい、健康保険証として使ってほしい、ありとあらゆる形でマイナカードの活用を国民、市民の皆さんに勧めてきました。
ですが、その裏側では、自分たち政府の内部では「マイナ身分証は危ないから使えない」という主張を認めてきたのです。
国民、市民の皆さんには危険性には触れず、マイナカードの活用を推し進める。
その一方で、自分たち政府の内部では「マイナ身分証は危ないから使えない」という主張を認めてきた。
これは矛盾しているのではないだろうか。
警察庁や防衛省は特殊だ、民間とは違う、とおっしゃる方もいるでしょう。
ですが、個人情報の大切さは公務員もそれ以外の国民、市民も変わりはありません。
情報秘匿の重要性という点では、公務員も、最先端の技術開発に取り組む民間企業も同じです。
産業スパイに狙われることもあるでしょうし、ライバル企業に狙われることもあるでしょう。
「公務員が安心して使えないものは、国民にも勧めない。国民に義務付けるのであれば、まず公務員も堂々と使えるようにする。」
私、山岸一生は、それがまっとうな政策だと思います。
このような問題意識を持ち、質疑で取り上げることにしました。
山岸一生
「今、政府は、会社の社員証にもしてくれ、健康保険証にもしてくれ、どんどん一体化していこうということで。一方で、一部の省庁は、現時点においてはまだ危ないから使えない、こういう姿勢だった。国家公務員自らが安心して利用できないようなサービスを、社員証利用、健康保険証利用、際限なく機能を付加して、国民に、ふだん使いしてくれ、日常使いしてくれという姿勢は、私は矛盾していると思いますから、改めるべきと思いますが、いかがでしょうか。」
河野太郎大臣
「全ての国家公務員が身分証として使うことを既に決めておりますので、民間にも、是非是非、どんどん活用していただきたいと思っております。」
私は、河野太郎大臣の答弁ぶりをこれまでの国会の委員会で見てきて、二つのパターンがあると知っていました。
それは「得意なことを聞かれると長々と語り続ける。でも嫌なことを聞かれると、すぐにシャットアウトする」。
今回はまさに、後者の典型でした。
このような姿勢が、「ポスト岸田」を目指す方の資質としてどうか、様々なご意見のあるところだと思います。
私、山岸一生は、以下のように述べて質疑を終えました。
山岸一生
「私は、この文書に示されている問題意識というものは極めて真っ当なものだと思います。『これからどんどん使っていただきたい』という答弁でしたので、どんどん使えるようにするためには、不安があるものを無理やり使わせるのではなくて、不安がないような仕組みをつくる、この順番を間違えてはいけないということを申し上げて、質問を終わります。ありがとうございました。」
山岸一生の質疑を、目次、字幕を付けてまとめていただきました。
ありがとうございます。
全てご覧いただいても25分ですので、よろしければご覧いただければ幸いです。
私、山岸一生は、河野太郎大臣が気分を害する質問をしたのが理由かはわかりませんが、河野太郎大臣のTwitterをブロックされていて拝見できません。
質疑についての河野太郎大臣のご意見を拝見できないのは残念です。
質疑をした私、山岸一生の感想を申し上げれば、「痛いところを突いた質問にこそ、丁寧に答えるほうが、政府の信頼のために良いのではないか」と思いました。
最後になってしまいましたが、感謝を申し上げます。
この衆議院内閣委員会での質疑の“肝”になったのは、上述のとおり「2015年の政府の公文書」でした。
この公文書があったことで、政府方針のブレや矛盾を、事実に基づいて明らかにすることができました。
実はこの文書、政府の基準だと、「5年保存」のはずなんです。
ですから、2020年で廃棄されていてもおかしくはなかった。
ですが今回、複数の省庁から、「見つかりましたので」とご提供をいただきました。
真摯な対応に感謝します。
このように、今回、公文書が廃棄されずに保存してあったことで、政府方針のブレや矛盾を事実に基づいて明らかにできました。
公文書を残すことの意義にも、改めて思いを致しました。
「国会の質問王に、オレはなる」とお約束をして、2021年の衆議院選挙で初当選させていただいて1年が経ちました。
今回の質疑は、省庁からご提供をいただいた「公文書」という揺るがぬファクトをもとに、マイナンバーカードの強制という政府の行き過ぎに対し、国会質疑で歯止めをかけていくという、一つの姿を国民の皆さんとともにつくることができたと思っています。
もちろん質問だけで、すべてが動くわけではありません。
しかし、世の中に一石を投じ、政治を変えていく、最初の一歩にはなる。
改めて、そのようにも確信しました。
これからも、私、山岸一生は取材力、調査力、質問力を磨いていきます。
すでに有力な情報もいただいていますが、さらなる情報もお待ちしています。
あなたの力をお貸しください。
立憲民主党政調会長筆頭補佐、東京9区選出の衆議院議員、山岸一生でした。