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敵基地攻撃能力について

 みなさんこんにちは、立憲民主党政調会長筆頭補佐、衆議院議員(東京9区選出)の山岸一生です。

臨時国会が終わりました

 先週、12月10日・土曜日に臨時国会が終わりました。

 国会の会期は終わりましたが、来年の通常国会に向けて資料を精査したり、取材を行ったり、会期中にはなかなかできないことをする予定です。

 明日、12月13日火曜日には、山岸一生の政経セミナーを行います。

敵基地攻撃能力

 臨時国会終盤の大きなテーマの一つとなったのが「敵基地攻撃能力」についてです。

 「敵基地攻撃能力」についての、立憲民主党内の議論が続いています。

 一部報道で、「立憲民主党が敵基地攻撃能力を容認へ」とミスリードな記事が出ています。

 このような不正確な発信は厳に慎むべきです。

山岸一生の考える「敵基地攻撃能力」

 私、山岸一生は、いま現在、政府・与党が進めているような極めて粗雑で、憲法違反の恐れが強い敵基地攻撃論を、「容認」することはないことを明示します。

 立憲民主党としての考え方については、12月9日の立憲民主党外交・安全保障戦略プロジェクトチームで、初めて党内に「論点整理」の概要が示されました。

 私も発言の機会を得ましたので、この間、地域、練馬区で伺ってきた国民、市民の皆さんの様々な思いを受けて、考えを申し上げました。

 2時間に及ぶ会議で、真摯な議論が行われました。

 時代の変化とともに、「戦争のかたち」が大きく変わっているのは事実です。

 もはや現代の戦争では「開戦時に、上陸部隊が時間をかけて進攻して来るので、こちらも時間をかけて作戦を練って、じっくり迎え撃とう」ということはありません。

 遠方からのミサイルの撃ち合いが重要になるのは、ウクライナ危機を見ても明らかです。

 したがって、攻撃着手の判断も、反撃のためのツールも、その判断にかけられる時間も、極めて限られたものになっているのは確かなことです。

 どのような局面なら、どのような武器を用い、どのような対象に対して、どのような攻撃を行うことが、憲法の枠内で許されるのか。

 この点、政府・与党が進めている議論には大きな問題があります。

 簡単に列挙するだけで、日本が先制攻撃したとみなされてしまう恐れ、存立危機事態を含めることにより米国の戦争に巻き込まれる恐れ、金額ありき・増税ありきの防衛費の膨張、「バイ・アメリカン」による超長距離兵器の調達、南西諸島のさらなる基地負担など様々です。

 日本が敵基地攻撃能力を保有することは、逆に日本が攻撃されるリスクも増やします。

 私、山岸一生は、このままなし崩しで政府・与党の議論を進めるわけにはいかないと考えます。

 「敵基地攻撃能力は抑止力の観点から必要だ」という意見もあります。

 しかし、そもそも、これらが「抑止力」につながるのかも疑問です。

 「抑止力」は様々な考えのある概念ですが、「能力と意思と伝達、この三つの掛け算である」と言われます。

 すなわち、相手国にダメージを与えうる防衛装備(能力)、いざとなれば戦って守るという国民合意(意思)、そのことが相手国に伝わる外交交渉(伝達)。

 掛け算ということは、どれか一つでも欠ければゼロになってしまう。

 防衛装備だけ充実させても、国民合意と外交交渉に逆効果ならば、抑止力は強まらないどころか、かえって「万が一」のリスクを高めるのです。

 「万が一」があった時、被害を受けるのは誰か。

 先週、沖縄の普天間基地周辺で米軍機からの落下物被害に苦しむ、保護者の皆さんのお話を聞きました。切実でした。

 私たちは、今現在ですら、「安全保障」の名のもとに、子どもたちを脅かしてしまっている。

 すでに脅かされている一人一人の命や人権に真っ当に向き合おうとしない政府が、「万が一」の時に、子どもたち、特に、あってはならないが高いリスクにさらされうる沖縄の子どもたちを守れるのか。

 とても任せられないのが、我が国の今の姿です。

 本来「安全保障」とは、この国に暮らす一人ひとりの生命、財産、人権を守るという、社会全体としての取り組みであるべきです。

 「敵基地攻撃能力」のような武器によるハードパワーだけではなく、国家としてのソフトパワー、エネルギーの安全保障、食料の安全保障、科学技術なども含めて議論すべきです。

 しかし、現在の政府の議論は軍事一辺倒、さらに「とにかく超長距離の武器を持つのだ」という防衛装備品の調達論に終始してしまっています。

 私たち立憲民主党は、こうした粗雑な議論とは一線を画しつつ、東アジア地域の安定と、日本に暮らす一人ひとりを守るための真の安全保障の確立に向けて、責任野党として議論を重ねていきます。

 立憲民主党の衆議院議員、「ロシア入国禁止」に指定されている山岸一生でした。

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