2024/02/29
みなさん、こんにちは。
立憲民主党の衆議院議員(衆議院東京9区・東京都練馬区西部選出)の山岸一生です。
目次
2024年02月29日・木曜日、衆議院の政治倫理審査会(政倫審)が開かれました。
岸田文雄首相と、武田良太議員(志帥会(二階派)事務総長)が出席。
私、山岸一生は、武田議員に対する質疑を、審査会メンバーとして傍聴しました。
その模様を衆議院議員として、市民、国民の皆さんにご報告します。
武田氏は、総務大臣や国家公安委員長を歴任してきました。
そのキャリアからすれば、政治家、衆議院議員の中でも、政治資金について、いっそう厳しい倫理観を求められる立場です。
そうした方が、政治倫理審査会(政倫審)で政治資金について弁明するに至ったこと自体が、残念な出来事です。
さすがの武田氏も緊張したのか、冒頭、10分間にわたり弁明している間は、持っている書面が小刻みに揺れていました。
武田氏の弁明のポイントは主に3点でした。
一つ目は、志帥会(二階派)のパーティー収入の不記載が5年間で2億6千万円にのぼること。
二つ目は、志帥会(二階派)の幹部7人については、議員側でも、武田氏が1,926万円、二階氏が3,000万円超などの不記載があったこと。
三つ目は、会計は事務局に任せており、「(二階会長と武田事務総長は)収支報告の内容の詳細について報告を受けることなく、虚偽記載が行われていたことについてまったく知りませんでした」ということ。
一読してお分かりの通り、「三つ目」が武田氏の一番言いたいことだ、ということは明らかです。
それは、この後の質疑でも、はっきり示されることになります。
武田氏の弁明が終わり、続いて質疑に移ります。
自民党からは中谷真一さんが質問しましたが、私、山岸一生は、冒頭からずっこけました。
「武田代議士と私はラガーマン。お世話になっている代議士に質問するのは、複雑だ」。
中谷さんはいきなり、「武田氏との個人的な関係の深さ」からスタートしてしまいました。
「先輩、忖度しますよ」と宣言するようなものです。
その後も、武田氏が二階氏をかばうようなコメントをすると「さすが代議士だなと」などと、褒めだす始末。
「身内が身内を質す」ことの限界が、はっきりしていました。
そして、この期に及んでも、自民党が、閉じたムラ社会での「先輩後輩」などといった個人の関係性によって動く、「全自動忖度機」であることが、あらわになりました。
残念でしたが、ある意味では「なるほど」と思う質疑でした。
続けて、立憲民主党の寺田学さんが質問に立ちます。
寺田さんは、武田氏が志帥会(二階派)の事務総長として、こうしたキックバックのシステムをどのように把握していたのか、質しました。
武田氏は、自身の関与を完全否定しました。
「ノルマを超えたら還付される制度自体は、私は把握していなかった。」
「25年間勤めあげた(非国会議員の)事務局長がやっていた。どうかご理解ください。」
すべて事務局長の責任だと説明しました。
皆さんはどう思うでしょうか。
にわかにうなずくことは難しい話ですし、逆に真実なら、組織のガバナンスが全く機能してないということです。
私、山岸一生の知る限り、志帥会(二階派)は、自民党の派閥の中でも「オーナー企業」「二階一家」「親分子分」体質のもっとも強い派閥です。
いっさい政治家の関与抜きにシステムが運用されていたという主張は、簡単には承服できません。
その後、維新、公明、共産の各議員が質問しましたが、質問時間は維新と公明が10分、共産は8分。
ほとんど込み入ったやりとりはできませんでした。
与党である公明党の議員に対し、武田氏はほとんど泣き落としともいえるような語りでした。
「知っているのは事務局長だけなんです」
「知ってる人、いないんです。本当にいないんです」
これに対し、議員も正面から突っ込むことなく、質疑が終わってしまいました。
武田氏の作戦は、はっきりしていました。
武田氏の主張はこの一点です。
したがって、質問者はこれに対して「それはトカゲのしっぽ切りではないか」「そんな組織はないだろう」と、手を変え品を変えて、切り込むことが求められます。
その意味では、大変僭越ながら、質問者の大半は切り込み不足でした。
圧倒的に時間が足りないにもかかわらず、質問するまでに3分も4分も持論を述べるような質問者もいました。
光ったのは、ラストバッターだった共産党の塩川鉄也さんが、「武田氏が分からないなら、二階氏・林氏に聞かなければ分からない」とクギを刺したことぐらいでした。
国会質疑の難しさ、質疑時間の短さ、政治家が政治家を質すややこしさ、いろいろなもやもやの残る審査会でした。
国会質疑が、本当に「市民、国民の疑問に応える場」となっているのか。
私、山岸一生自身も、今後の質問に向けて「他山の石」としたいと思います。
これではとても、疑惑が解明されたとは言えません。
さらなる究明が必要であることを、強調しておきます。
一方、武田氏の質疑の前には、岸田総理の出席する審査会もありました。
こちらは私、山岸一生自身は傍聴していなかったので、詳しくは取り上げません。
しかし、総理自らが唐突に乗り込んできた割に、「なにを言いに来たのだろう」という疑問符の渦巻く結果でした。
あまり軍事のたとえ話は良くありませんが、今回は分かりやすいのであえて用います。
総大将が、兵隊が誰もついてきてくれないからと言って、いきなり自ら特攻機に乗って突っ込んでいく。
それは、本人的には「かっこいい」のかもしれませんが、もうその時点で、その軍隊は崩壊していますし、その国は「戦」に負けています。
政治倫理審査会(政倫審)をめぐるここ数日の動きは、ガバナンスの崩壊した自民党の姿をよく表しています。
「政権担当能力」と日ごろ自民党の皆さんは好き好んで言いますが、もはや自民党に政権担当能力はありません。
野党である私たちが言うと「野党にも政権担当能力は無い」「悪夢の民主党政権」という人もおられます。
しかし、私、山岸一生は、以下のように考えます。
「政権担当能力」なるものは、「能力×覚悟×伝達」の掛け算だと言えるのではないでしょうか。
「能力×覚悟×伝達」の掛け算、の意味をご説明します。
まず、一定程度の実務能力があるということ(能力)。
そして、社会、日本のかじ取りを担う覚悟があるということ(覚悟)。
さらに、それが市民、国民の皆さんに伝わっているということ(伝達)。
この「能力×覚悟×伝達」の掛け算が兼ね備わった時、その政党は、「政権準備政党」と呼ぶに値するのでしょう。
私たち立憲民主党はまだまだ途上ではありますが、泉健太代表を先頭にこの三つの能力をしっかりと日々、鍛えています。
自壊する自民党に代わり、速やかに政権をとりかえる覚悟をもって政治に取り組むことを、お約束します。
あなたの声をお寄せください。
立憲民主党は、あなたです。
衆議院議員 (立憲民主党・東京9区・東京都練馬区西部選出) 山岸一生