2023/02/28
皆さんこんにちは、立憲民主党の衆議院議員(東京9区・東京都練馬区西部選出)の山岸一生です。
目次
私、山岸一生は、2023年2月27日の衆議院予算委員会で質疑に立ちました。
1か月余りにわたり審議してきた衆議院予算委員会も、いよいよ最終盤。
この間の議論で積み残されていた疑問を、私、山岸一生は岸田総理大臣に直接質しました。
今日は、山岸一生の衆議院予算委員会での質疑について皆さんにご報告します。
まず、私、山岸一生が尋ねたのが、岸田総理の「答弁姿勢」です。
具体的には、岸田総理は、「説明」「説明」とは言いますが、「中身のある説明」をほとんどしていません。
この岸田総理の「説明」という単語は繰り返すが「中身のある説明」はしていない、という「答弁姿勢」について尋ねました。
<山岸一生>
最近、総理、言葉の選び方が変わりました。
去年の今頃、総理は、検討、検討ばかりおっしゃるので、「検討使」なんていうあだ名がついていました。
ところが、最近めっきり「検討」と言わなくなった。
調べたら、「検討」が減った代わりに増えた言葉、「説明」でした。
一昨年ぐらいは「検討」が「説明」の二倍ぐらいあったんですけれども、昨年の臨時国会から、「説明」が「検討」の二倍ぐらいに変わりました。
総理、何で最近、説明という言葉をたくさんお使いになるんでしょうか。
教えてください。
<岸田総理>
何で「説明」が増えたかということについては、私自身は明確な理由は持っておりません。
それぞれ、丁寧に国会において“説明”を尽くす中で、適切な言葉を自分自身選んでおりますが、その結果です。
<山岸一生>
逆なんですよ。
増えているのは「説明」という単語であって、「中身の説明」をこの国会で全然おっしゃっていない。
子ども予算の倍増のベースそれ一つお答えにならないし、LGBTや統一教会問題も、説明、説明とおっしゃるけれども、一切「中身のある説明」をおっしゃっていない。
総理、水戸黄門様の印籠じゃないんですから。
「説明」と言ったら説明したことになるなんて話はないわけでして、国民が知りたいのは「中身の説明」です。
岸田総理大臣は「説明」という言葉を多用しています。
しかし、言葉では「説明」と言いながら「中身のある説明」「内容のある説明」をしていないのではないか。
私、山岸一生はこの岸田総理の「説明」と言って、言わば「説明したことにする」という姿勢に大きな疑問を感じていました。
衆議院予算委員会でも質問したように「説明」と言ったら「説明したことになる」というわけではありません。
また、岸田総理、政府が「中身のある説明」「内容のある説明」をしなければ、国会での議論も深まりません。
国会での議論を充実したものにするため、そして何より市民、国民の皆さんのために、岸田総理、政府が「中身のある説明」「内容のある説明」をすることは不可欠です。
そして本当に岸田総理に「説明」をするつもりがあるのならば、「説明」という単語を使わなくても「中身」「内容」を伝えることは十分にできるはずです。
市民、国民が聞きたいのは岸田総理の「説明」という単語ではなく、岸田政権の政策の「中身」「内容」です。
そこで、私、山岸一生は「説明」という単語ではなく、岸田政権の政策の「中身」「内容」を具体的に回答してくださるよう岸田総理に求めました。
実は、この岸田総理への質問では、パネルを用意していましたが、自民党のかたくなな姿勢によって、使うことができませんでした。
事前のTwitterではご紹介しましたが、そのパネルがこれです。
このパネルは岸田総理の「説明」という単語を使った答弁が、相対的に増えていることを示しただけなのです
が、自民党は「使用してはいかん」というのです。
岸田総理の「説明」が増えている事実の、どこが不都合なのでしょうか。
一般的に、「説明」が増えるのは素晴らしいことではないでしょうか。
しかし、自民党議員の皆さんも「岸田総理は『説明』ばかりで、実は中身のある説明をしていないな」ということに気が付いていたからこそ、かたくなに拒否したのでしょう。
以上のように、まず、岸田総理が「説明」という単語は連呼するけれど「中身のある説明」をしていないことを指摘した上で、具体的な質問に入りました。
まず、衆議院予算委員会の質疑の前日(2023年2月26日)に行われた自民党大会での岸田総理の発言についてです。
<山岸一生>
昨日、自民党大会が開催されました。
旧統一教会の問題や、LGBT法案をどう説明されるのか。
一切言及がありませんでした。
これだけ政治不信を招き、日本の国際的信用も失われている問題で、しかも自民党の組織の内部に問題の大半が起因をしている案件です。
(自民)党内に対して総理の決意を発信する場である党大会で一言もおっしゃらないということは、これは総理の本気度が疑われると思います。
総理、なぜ、この二つのテーマ、触れなかったのか、理由を説明願えますか。
<岸田総理>
党大会全体で国民の皆さんに対してどのような発信を行うのか、これが大事だと思っています。
ですから、私自身の思いを申し上げる、御挨拶の中で申し上げる、これももちろん大事ではありますが、党大会において、幹事長を始め党幹部、それぞれがどのような発信をするのか、それを、全体を分担する形で、全体として自民党の思いをしっかり伝えることが重要であると思っています。
私の挨拶のみならず、党幹部それぞれの発信の中で、御指摘の旧統一教会、あるいはLGBTについても申し上げたところであります。
<山岸一生>
総理が、総裁が言うべきテーマではない、いわば優先順位を下げたということじゃないですか。
(略)
統一教会と関係を断ち切ったということを証明できていない議員も当然おられた。
そういった方々を前に、総理が一言もこの問題にお触れにならない、これでは到底、統一地方選に向けて関係を絶つことは期待できない。
次に、私、山岸一生は、少子化対策について質問しました。
<山岸一生>
子ども、子育て政策、誰がメリットあるのか。
総理は答弁の中で、防衛予算と子どもの予算、分けて説明をされていました。
私はこの説明に違和感があります。
もちろん、個別の政策を切り出せば、「何歳児から何歳児までに給付をする」というものは特定の方にしかメリットがありません。
だけれども、それが回り回って社会全体の持続可能性につながっていくから国民全体にメリットがある、こういう説明をしていたはずです。
それは防衛費も同じであって、アメリカから高いミサイルを買いますという政策それ自体は、アメリカの軍需産業にしか金銭的なメリットはありません。
だが総理の説明では、私は考えが違いますが、しかし、そのことによって国民全体の安全が守られるんだ、こういう整理ですよね。
この点では、子ども予算も防衛費も同じじゃないですか。
一個一個の政策は、受益者、お金が回る人は限られているかもしれないけれども、全体で見れば、社会全体にメリットがある。
これはダブルスタンダードじゃないですか、総理、違いませんか。
<岸田総理>
子ども子育て政策、これは社会、経済の持続可能性につながる大きな課題である、国民全て、男性も企業も地域社会も高齢者も、そして結婚されていない方々も含めて全てに関わる課題であるということで、この問題の重要性を指摘し、取り組んでいく。
申し上げたとおりです。
ご指摘の点は、財源についての議論の中で出てきたやり取りであります。
財源を考えた場合に、防衛費の場合は、どの地域においても、そしてどういった立場の人にとっても、国の安全が守られるということは、裨益するものです。
ただ、社会保障、個別の政策ということを考えた場合には、個別の政策によって立場や地域や年齢等によって裨益する方々は様々であるからして、財源についてはそれぞれ丁寧に財源を考えていかなければいけない、こういった違いはあるのではないか、こういったことを説明させていただいたわけであります。
<山岸一生>
岸田総理の答弁は、安倍総理のときより後退している。
2019年、安倍総理は、社会保障、ここで社会保障には当然少子化は入っていますけれども、「社会保障は国民全てが人生の様々な段階で受益者となり得る」と言っている。
でも、岸田総理は、殊更に、「全員がメリットがあるわけじゃない」ということばかりおっしゃる。
これは明らかに答弁は後退している。
私が申し上げているのは、政治の本気度が問われるポイントだからなんです。
私は、地元の練馬に帰ると、年配の方からいつもこう言われます。
「山岸さん、子どもの議論大事だけれども、年金どうなの、医療大丈夫なの。」
多分これは与党の先生がたも皆さん同じだと思います。
こういうときに、私はこう答えています。
「もちろん年金を守っていきます、でも、そのためにこそ、子どもたちが生まれ育っていく社会環境をつくっていく、そのことが回り回って年金、社会保障の安定化にもつながっていく、みんなにメリットがある。」
ということを申し上げています。
世の中には、子どもがいる家庭もあれば、まだいない家庭もあれば、子育てを終えた家庭もあれば、お一人さまもいらっしゃいます。
私自身はまだ子どもがおりません。
そういった幅広い方々に対して、我々政治家が理解を広げていかなければいけないときに、総理ご自身が、子ども予算は個別に見たら一部の人間しかメリットがないからと言ってしまったら、こんなことで予算倍増なんか永遠にできるわけない。
総理、答弁を撤回すべきではありませんか。
<岸田内総理>
全く私はおかしなことを言っているとは思っておりません。
最後に、就職氷河期世代への支援について質問しました。
<山岸一生>
私は今、41歳ですけれども、就職氷河期というのは大体私が一番下で、(現在)40歳から50歳ぐらいまでの世代、団塊ジュニアともほぼ重なっています。
少子化との関連で申し上げれば、少子化対策が間に合わなかった世代。
「過去形」で言わなければいけないのは大変残念な思いですが、実際問題、これから少子化対策の対象から徐々に排除をされていく時期に入っております。
私は、この世代に対して、まず政治が一言あってしかるべきじゃないかなと思っています。
この10年間、政治が真正面から向き合っていれば、氷河期世代の少子化の現状、違ったかもしれません。
正社員になって、安定した雇用環境の下で、結婚したい方は結婚し、子供をもちたい方は望む数をもつことができたかもしれないこの氷河期世代あるいは団塊ジュニアの方々に対して、私もじくじたる思いがありますが、総理はやはり、この10年間ずっと政治の中枢におられたわけですから、一言、「申し訳ない」という言葉を言ってもらえませんか。
<岸田総理>
就職氷河期世代の方々には、不本意ながら非正規雇用で働いている方、あるいは引きこもり状態にある方など、様々な課題に直面してきた方々が含まれています。
就職氷河期に対する就労や社会参加を支援する取組、2003年、若者自立・挑戦プランの策定、2006年、再チャレンジ支援総合プランの取りまとめ、2019年、就職氷河期世代支援プログラムの策定など、様々な取組が行われてきた。
ただ、この3年余り、コロナ禍で厳しい雇用情勢にあった、こうしたことも加わり、十分な結果が出ていないことについては、政治の立場から、至らない点についてしっかりと反省し、そして努力を続けていかなければならないと思います。
<山岸一生>
(支援する取組を)延長するだけでなくて、うまくいったもの、うまくいかなかったものをしっかり検証しなければ、同じ過ちを繰り返すと思います。
総理、結局12回ですか、「説明」とおっしゃっていました。
でも、残念ながら、「中身のある説明」は聞けなかったと思います。
我々、立憲民主党、これからも、もっといい未来のために議論を重ねてまいります。
ありがとうございました。
今回の私、山岸一生の質問は時間の関係でここまででした。
以上、私、山岸一生の質問に対する岸田総理の答弁を文字起こししましたが、文字でご覧になってどんな印象をもたれたでしょうか。
岸田総理の答弁を改めて「文字」で読んで岸田政権の政策の「中身」「内容」を具体的に回答した、と言えるでしょうか。
私、山岸一生が最初に岸田総理に指摘したように、岸田総理は最後まで、「丁寧な説明」と言葉では言うのも
の、国民に対して「真摯に説明しよう」「丁寧に中身のある説明をしよう」という姿勢が見えませんでした。
文字でご覧になるとさらにはっきりこのような印象をもつのではないでしょうか。
衆議院での予算案の審議は、今日(2023年2月28日)採決されました。
これからは衆議院の各委員会と、参議院の予算委員会に論戦の場が移ります。
私たち立憲民主党は、引き続き、命とくらしを守るための国会審議に取り組みます。
それでは、東京都練馬区西部、衆議院東京9区選出の衆議院議員、山岸一生でした。