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衆議院本会議の代表質問の実況解説

 みなさんこんにちは、立憲民主党・衆議院東京都第9区総支部長(衆議院の、東京9区(練馬区)の、立憲民主党の立候補予定者)の、山岸一生です。

 今日は、衆議院本会議で行われた代表質問を実況解説しました。

 ダイジェストでお届けします。

代表質問。おとといの安倍総理の施政方針演説に対して、党や会派の代表が質問します。総理への質問であると同時に、皆さんに向けた、野党からの「2020年のお約束」でもあります。私たちは、どういう社会を目指しているのか、どう実現するのか。枝野幸男代表がお話します。

枝野さんの質問です。政権を担うべく、社会像の「もう一つの選択肢」を示す、と宣言してスタート。

「もっとも、大変残念ですがそれに先立ち、安倍政権の利権、私物化、隠蔽体質そのものについてたださなければならない」

安倍総理自身の公選法違反が疑われていますが、枝野さんの質問もまずはここから。

桜を見る会の問題点を指摘したうえで、枝野さん、安倍総理が疑惑まみれのまま今の地位にしがみつけば、日本社会のモラル崩壊が止まらない、と悪影響を指摘。

「潔く総理の職を辞すことを、強く求めます」

冒頭から、辞職要求です。

過去の名簿の取り扱いの問題。「2010年(鳩山政権)には管理簿への記載等がなされています」と枝野さん。 整理すると

▽2010年(鳩山政権)=記載あり

▽2011年(菅政権)・12年(野田政権)=記載なし・そもそも開催せず

▽2013年~(安倍政権)=記載なし という流れです。

菅官房長官は、2011、12年から引き継いだと言っていますが、「開催せず=名簿が完成していない」年と比べるのは変。問題はなぜ、きちんと記載していた2010年から、扱いを変えたのか。

枝野さん「担当者限りでできるとは思えない。官房長官等から指示や示唆があったのではないか」。菅長官に照準です。

不祥事の追及が続いています。次はカジノ問題です。底なしのカジノ利権、カジノ汚職。

枝野さん「安倍内閣の成長戦略は汚れたカジノに頼らざるを得ないものなのでしょうか」。

野党は国会初日の20日に、カジノ実施法を廃止する法案を提出しました。枝野さん、すみやかな審議・成立を求めます。

続けて、2閣僚(菅原氏、河井氏)の辞任。総理は当時「責任を痛感している」と言葉の上では言いましたが、行動で、どう責任を果たしていくのか。2人とも、まともに説明をしていない。

枝野さん、「自ら任命した元閣僚が説明責任を果たすことには、総理自身にも責任がある」と呼びかけます。

不祥事はここまで。立憲民主党が目指す社会の姿、安心のつくり方を、枝野さんが語っていきます。枝野さんのポイントは3点です。

1⃣支えあう安心

2⃣豊かさの分かち合い

3⃣責任ある充実した政府

「その役割を担う、新しい政権を作っていく」と枝野さん。

どういうことか。

1⃣老後や子育てを社会全体で支えあい、少子高齢化時代を乗り越える

2⃣大金持ちや大企業に偏在している富を、懸命に働く私たち一人一人、特に若い世代にいきわたらせる

3⃣そのために、民間に丸投げせず、政府が責任を持つ。国民に嘘をつかず、情報公開を進める。

こういう考え方です。

枝野さん、具体策に入っていきます。低賃金で働く人の「賃上げ」と「正規雇用化」を求めます。

これは、政治で変えられる分野だからです。いくら「給料アップ」と国が旗を振っても進まないことは、アベノミクスが証明した。でも最低賃金や、保育・介護現場など、政治ができる賃上げはあります。

ここでの枝野さんの提案。

▽保育士や介護職員など➡「大幅な賃金引上げ」で、暮らしを支える現場を豊かに

▽地方公務員・学校の先生・ハローワーク職員など➡「常勤雇用化や定数の適正化(定数増)」によって、深刻な人手不足、非正規化、地域格差に歯止め

続けて少子化対策です。ご家族が、体験を描いた「枝野家のひみつ」という本も出版されています。

枝野さん、「経済的理由で、希望しながら子どもを産み育てることや家庭を持つことをあきらめている方(略)を減らす」と言います。「これこそが重要な少子化対策」として、総理に考えを聞きます。

その上で、不妊治療についても提案。

▽生殖補助医療を保険適用する

▽または同程度の補助をする

結びです。枝野さん、世代ごとに呼びかけていく。 「特に、将来への展望を見失っている若い皆さん」には、豊かさを分かち合い、支えあう安心の仕組みを作れば「暮らしに豊かで明るい未来が開かれます」。大学入試の問題では、「多くの高校生が、動けば変わることを実感されたと思う」と呼びかけます。

高度成長やバブルを知っている世代には、「同じことは起きません」と幻想はいましめつつ、でも「安心して年を重ねることのできる長寿社会を実現することは可能だ」と訴えます。そのために、「責任ある充実した政府を作ろう」と呼びかけました。

世代間対立をあおるのではなく、力を合わせれば、未来の安心は取り戻すことができる。そういうメッセージが込められていると私は感じました。

枝野さんの質問、最後はいつもの言葉。「私には、あなたの力が必要です」で終えました。 安倍総理は、どう答えるでしょうか。

安倍総理の答弁です。「桜を見る会」をめぐる公文書の不適切な扱いについて。

「(過去の名簿は)内閣府において登録を行わず手続きを経ず廃棄が行われていたと承知している。民主党政権の平成23年、24年は会自体は中止されたものの、名簿はその時点で『完成版』が存在したとのこと。当時の文書も行政文書として管理簿に登記すべきだが、登録せずに廃棄がなされた。この両年の措置を前例として漫然と引き継ぎ、25年以降も行政文書として登録しなかったと考えている。本件は公文書管理法違反であり、課長を処分した。違反する状態は23年から始まったが、安倍内閣において官房長官から指示や示唆を行ったことはありません」

実際には開催していない2011年、12年。どうしても、ここを違法な取扱いの出発点にしたいようです。そのために、「存在しない会の名簿が完成していた」という珍妙な設定になってしまっています。

「対応は不適切で、課長を厳正に処分した。官房長官が二度と起こさないように徹底した」

安倍総理は答弁で、職員の処分について繰り返しています。枝野さんが問うたのは「政治の責任」だったのですが、安倍総理は「現場の責任」を強調する、かみあわない構図になっています。

続いて、カジノ汚職と2閣僚の辞任について。

カジノ「逮捕は誠に遺憾。個別の事案の捜査に影響する可能性があることから詳細なコメントは控える」

2閣僚「辞任した閣僚に関し、捜査に関する事柄についてお答えは控える」

安倍総理の答弁は、どちらも同じような内容になりました。

論戦は、暮らしの安心へ。枝野さんの賃上げ提案への安倍総理の答え。実質賃金が上がらないとの批判について、切り返します。

「(実質賃金ばかり言うのは)デフレを自慢するようなものだ。そろそろ気づかれた方がよろしいのではないでしょうか」

少子化対策、安倍総理の答弁です。

「子を産み育てたいとの希望に、費用負担が制約だった。(教育無償化で)子を産み育てやすい国へ転換する」

「体外受精や顕微授精は保険適用外で高額との指摘を承知している。初回治療の助成額を引き上げ、男性にも拡大し、一人でも多くの方の出産の希望を叶える」

「子を産み育てやすい国」

「一人でも多くの方の出産の希望を叶える」

言葉は立派です。私たちもそういう国にしたい。しかし、安倍政権の7年間の間に、急激に少子化のペースが上がっているのが、結果です。 今日、よい言葉がありました。

「そろそろ気づかれた方がよろしいのではないでしょうか」

今日は衆院代表質問を実況解説しました。 速記の性格上、発言の趣旨は押さえていますが、一言一句正確ではありません。ご理解の上、ご覧ください。お付き合いいただき、ありがとうございました。

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