衆議院予算委員会

 こんにちは、立憲民主党の、山岸一生です。

山岸一生による、2019年10月10日の衆議院予算委員会の実況解説

 今日のブログでは、私、山岸一生が行った、2019年10月10日の衆議院予算委員会の実況解説を、まとめてお伝えします。

午前中は、与党の質疑です

 衆議院予算委です。自民党・岸田文雄政調会長「憲法は国民のもの。国民が憲法論議を求めている」と改憲に意欲。「政府に質問するものでない、問題提起として申し上げたい」と首相を見ます。雑誌で総裁選出馬を表明したばかりの岸田さん。先生の前で宿題を読み上げながら「合ってますよね?」と窺う生徒のよう。

 G20大阪サミットの「ぎゅう詰め会議」覚えてますか?安倍首相が衆議院予算委員会で、自ら言及。「狭かった」としたうえで「かえって詰まった感じになってよかったかなと思う」。詰めるのは、部屋より中身。

 日米FTA、茂木外務大臣の答弁です。自動車の追加関税が発動されないことは「安倍総理がトランプ大統領に明確に確認している」。どうでしょうか。トウモロコシを買う買わないですら話した内容が食い違っている2人です。安倍さんの「確認」では安心できない。

 自民党・葉梨康弘さん、就職氷河期世代が低出生率につながっているとして対策を要望しました。でも安倍首相は、「今」の若者の就職状況が良い、という話にすり替えて答えてしまいました。多くが40代に入っている就職氷河期世代。少子化対策の政策からも、効率が悪いとして切り捨てていくのでしょうか。

 気候変動を巡る、小泉環境大臣の答弁です。目を離した時間もあるので分かりませんが、恐らく初登板かな。冒頭に「(農産品の)北限が上がっており、国産のバナナをいただきました」と、体験エピソードから語り始めるのは、いつもの進次郎節。でもそのあとは、ひたすら原稿を読み上げました。

憲法の議論で、自民党議員が問題発言です

 自民党・井野俊郎さん「なぜ憲法改正が行われてこなかったか」 安倍首相「結党以来の党是。(だが)国民的な課題は豊かな暮らしを作り上げたいということだった。旗は掲げてきたが、なかなか目的(改憲)には到達できなかった。国民的な関心が高まっていくことが大切。自民党が責任を果たすことを期待したい」

 「国民的な課題は豊かな暮らしを作り上げたいということだった」。今でもその通りです。自民党が改憲の目的を達成できなかったのは、国民が求めていないことだったから。自民党の党是のために国民がいるのではありません。

 井野さん「護憲だ改憲だとマスコミもレッテル張るが、例えば1章、天皇制については恐らく自民党は護憲になる。他方で共産党は恐らく改憲派になる」「違うよ、でたらめなこと言うな」と野党席から怒号が上がります。 井野さん「即位の礼に参加しないんじゃないですか?」 だから改憲派?無理がある。

 野党の理事が委員長席に集まって抗議しています。 井野さん「別に(改憲に)どういうスタンスなのか、それ(即位の礼)だけじゃ分かりませんけど」 あわてて矛を収めました。分からないと知っていながら、「共産は改憲派」と言いたいだけの発言。なるほど、まさに「レッテル張り」ですね。

 ついでにいえば井野俊郎さん、自民党についても事実誤認です。自民党は2012年に発表した改憲草案で、1条を「天皇は元首」と改正することを明記しています。天皇制についても、自民党は改憲派です。井野さんには、不確かな知識で他党を笑う前に、ご自身の党の勉強から始めることをお勧めします。

 MMT(現代貨幣理論)の話題になり、麻生財務大臣の答弁です。国債を大量発行しながら金利が上がらないのは「奇跡的な状態が続いている、というのが実感だ」「未来永劫続くか、心配しなければいけない」。MMTは今年、2019年3月から国会で取り上げられるようになりました。衆議院予算委員会では初めてです。

午後の質疑です

 衆議院予算委員会、午後の質疑スタート。委員長の自民党・棚橋泰文さんが冒頭に発言します。「午前の質疑の中で、公党に対して誤解を与えるような発言があった。今後、委員は発言には十分注意して頂きたい」 委員会として、井野さんの共産党への発言は問題だと認めました。

 公明党・石田祝稔さんが、吉田彰さんのノーベル賞受賞で小泉環境大臣に質問。小泉さん「吉野先生の研究がノーベル賞につながり、その背景に環境省というプレーヤーもあった」「環境省が支援する技術開発の中でノーベル賞受賞とかが出るように支援したい」 環境省とノーベル賞の深い関係?いや、またポエムかも。

 関電疑惑。菅原経済産業大臣が、他の原子力事業者にも類似事案がないか、調査させた経緯を説明しています。 いったん「ない」と答えが返ってきたが、菅原大臣は「なかなかそれもどうかという思いの中で」調査をさせたそうです。 結局、再び「ない」との答え。大臣はそれで納得したのでしょうか。

野党の質疑です。共同会派の「立国社」から4人が立ちました。

玉木雄一郎(国民民主党)さん

 野党のトップバッター、立憲/国民/社保の玉木雄一郎(国民民主党)さんです。まず災害への政府対応から。「改造に意識が向いて対応が遅れたのではないでしょうか。初動の遅れにつながり、大規模かつ長期の停電につながったと思う」。1999年のJCO事故の時、小渕内閣の組閣が4日遅れたことと比べています。

 菅官房長官「名前が出ましたので」と答弁に立ちます。JCO事故は「1人亡くなられた事故でした」。亡くなった作業員はお二人では?大丈夫でしょうか。

 台風対応についての菅官房長官の答弁です。「各省庁・自衛隊も派遣して情報収集する中で、毎日総理に報告していた。総理ご自身がご判断されて、初期対応については迅速に行ってきた。その中で総理ご自身がご判断された」 わざわざ答弁を買って出て「総理ご自身が」と強調するあたり、意図は何か。

 質疑は憲法へ。「憲法改正、やる気がだんだんなくなっているんでしょうか?」 玉木さんの挑発に、安倍首相は手を上げましたが、玉木さんは制して発言を続けています。

 玉木さん、国民投票法でCM規制を定める必要性を訴えます。「国民投票の活動団体に、外国勢力から資金サポートが行われ、CMなどの活動が行われた場合」「国民投票の活動が外国勢力の下に入ることはあってはならない」。

 外国人の献金規制について、安倍首相の答弁です。「まさに憲法審査会でご議論いただきたい」とかわしました。「私も自民党総裁として引っ張りたい立場と、総理という立場がある。自民党から『総理大臣は中身に入るな』と言われている」。自民党にも、勇気ある人がいるのですね?

 安倍首相が2017年に発言した「2020年に新憲法施行」のスケジュールについて、玉木さんが確認します。 首相「私の希望を申し上げた。あくまでも希望であり、私が述べたスケジュール通りになるとは毛頭思っていない。国会でお決めになる。私の希望だ」 難しい、ということのようです。

 日米貿易交渉をめぐり、自動車に追加関税を課さない根拠は何か、と玉木さん。 首相「トランプ大統領との間で、追加関税は課さないということですね、と確認した。これは私、茂木、トランプ、ポンペイオの4人で確認し、さらに大人数の会合でも確認した。首脳間の約束で極めて重い」」

 玉木さん「議事録はあるか。公文書か」と重ねて質問。首相「共通議事録ではないが、我が国の記録はある」 玉木さんは、棚橋委員長に文書の提出を求めました。こうした要望は、委員会後、与野党で協議します。もりかけもそうでしたが、与党の腰は重く、多くは棚ざらしになります。

 「私は個別の会社・業界がどうなるか関心ありません」と玉木さん。 茂木外務大臣、逆襲です。「個別業界がどうなってもいいという玉木議員と、我々の考えは違います」玉木さん、自由貿易体制こそ大事だという文脈でしたが、言葉尻をとらえられてしまいました。「私は農業業界も考えてきた」と釈明です。

関電疑惑で、菅原経済産業大臣に質疑が集中します

今井雅人さん

 今井雅人さんが登板。今井さん「なんと222日も予算委員会の開催が拒否されてきた」と、首相に国会出席を求めます。 安倍首相「世界を見れば(首脳の出席は年)40時間前後だ。私は200時間超えている。圧倒的だ」 ご都合主義の極致。まず情報公開を世界標準にしてください。「ここは日本だ」とヤジが。

 今日の予算委員会、野党は関電幹部の参考人招致を求めていましたが、与党は応じず。今井さん「関電の質問50問用意したが、参考人いらっしゃって頂けない。当事者がいない」「関電の皆さんを呼ぶように指示していただけないか」と首相に。 首相は「委員会で決めること」といつもの答弁です。

 今井さん、菅原経済産業大臣をめぐる週刊誌報道について確認します。 菅原経産相「今から12年前の週刊誌に書かれたこと。事務所に確認し、法にかかることはない。独身だが『愛人』がいると書かれたり、色々書かれるが、一つ一つ政治家として説明をしていきたい」 誰も「愛人」のことは聞いていませんが。

 今井さん「有権者に金品を渡したことはあるか」と重ねて確認します。
菅原経産相「そのようなことはございません」
今井さん「裏帳簿はあるか」
菅原経産相「裏帳簿は週刊誌の中の表現だ。うちは表も裏も、報告書に出すときに『表』はあるが、『裏』というものはございません」

続けて関電疑惑。
今井さん「関電の報告はいつ出てくるか分からない」
菅原経産相「私も最初、関電幹部が年末までと言ったときは遅いと言った。(だが、新たにできた第三者機関に)なかなかいつまでということは、独立した機関だから、申し上げることができない」
今井さん「先送りにしていると思われますよ」
菅原経産相「厳格性にゆだねたい。可及的速やかにお願いしたい」
煮え切らない表現です。まさか、関電の逃げ切りを助けようとしているのでしょうか?

今井さん、裏金の原資について指摘。
今井さん「原発マネーとか、違法なお金から出ているのか。関電側しか調査しなかったら分からない。送った側の原資も明らかにしなければいけない。国税庁も協力を」
麻生財務相「個別事案について財務省が国税庁を指導しろということ?」
今井さん「ゼロ回答で大変残念です」

今井さん、元助役の関連企業から自民党の政治家への献金について。
今井さん「稲田(朋美)さん、計375万円の献金を受けている。法的に問題ない。原資は何か。裏金を作っていろいろな人に配っていたら、稲田さんのお金もそうかもしれない。よく調べなければいけない」

今井さん「世耕さんのほうが不思議。(元助役関連企業から寄付は)2012年、震災の翌年から始まった。会社からの献金を、個人に振り分けたんじゃないか。原資は何か。道義的に問題があるんじゃないか。総理いかがか」

安倍首相「自ら説明責任を果たすべきだ」
今井さん「稲田氏、世耕氏は調査して説明責任を」

 政府答弁、とにかく後ろ向きです。「原発マネー汚染」のウミを出し切る姿勢が感じられません。

 野党も、週刊誌報道や政治資金収支報告書だけでは、厳しい。情報をお寄せください。

 審議の途中ですが、テレビ画面の左上にもご注目。自民党の議員たち、定期的に変わるのがお判りでしょうか。壁際のベンチ席は、NHKに写り込める特等席。センセイたちも必死です。よく比ゆ的に使いますが、これが本当の「椅子の奪い合い」

衆議院予算委員会

馬淵さんが緊迫した質疑を展開します

馬淵澄夫さん

 2019年2月に繰り上げ当選した馬淵澄夫さん、久々の当番です。取り上げるのは関電疑惑。国会の調査に後ろ向きな、政府与党の姿勢を「事態の隠蔽すら図っているのではないか」 永田町のターミネーター、復活です。どう攻めるのでしょう。

 関電の内部告発文書を取り上げます。この文書、2019年6月以降に作成されたものとのこと。菅原経産相は「2019年9月の報道で初めて知った」と答弁してきましたが、こことの整合性を突いていくのではないでしょうか。

関電の内部告発文書について。
馬淵さん「この文書の存在はご存じか」
安倍首相「私は存じ上げません」
菅原経産相「一部、報道で1ページ目が出ていたことを知っている。今お話を承ったのが2回目だ」
馬淵さん「直接ご存じない。2019年8月ごろ、文書が出回っているとの情報が福井で出ていた」
これは、経済産業省、不利です。
馬淵さん「所管する立場として、感知する仕組みが必要ではないか。経済産業省は事態を把握していなかった。
菅原経産相「2019年9月27日に報道で初めて知った。次官、エネ庁長官、役所に聞いたところ報道で初めて知ったという報告だ。それが今の現実だ」
経産省は、内部告発の存在も含め、情報収集できていなかった。

馬淵さん「事態が発覚してから聞く、じゃダメなんですよ。見過ごしてきた」「巨大インフラが、会社の調査が十分行われず、経産省は誰も知らないとの答弁しか返ってこない。企業任せになっている」

馬淵さん、グリップできていない経産省を批判しつつ、関電の隠蔽体質に矛先を向けます。

馬淵さん「この第三者委員会の選定、おかしくないですか」「関電の経営者が指名することはあってはならない」
菅原経産相「それはそれ以上、私どももタッチできない」

関電任せ。お手盛り第三者委員会ではないのか。

馬淵さん「関電が隠蔽しつつ、逃げおおせようとしている過程の中で、なぜ経営者に指名させるのか。大臣自身が、自ら中立性をもって、新たな第三者委員会を作れと命じるべきだ」
菅原経産相「経産省として、委員会と情報共有しながら監督していくことに尽きる」
馬淵さん「実態としては名ばかり第三者委員会と言われている。菅原大臣、覆い隠そうとしている先頭に立っていると言われかねませんよ」
改めて、第三者委員会を作り直すよう注文しました。

 内部告発文書から入った質問、うまいと思いました。菅原さんは「知っていた」と言ったら隠蔽に加担したことになっちゃう。「知らない」と答えるしかないですが、すると監督力の不足を認めることになる。大臣は第三者委員会ぐらい指導力を発揮しろ、と攻め込む理由になる。馬淵さん、さすがです。

菅原経産相「関電のことをかばうようなことは全くありません。はっきり言っときます」

 菅原さん、馬淵さんに答弁の機会をもらえなかったので、別の質問に答えた後に、啖呵を切りました。 言葉には、行動が伴わなければ。安倍首相の「みんなちがって、みんないい」もそうです。

 馬淵さん、再稼働の在り方も見直す必要があるのではないかと質問しています。
原子力規制委員会・更田委員長「事業者の経営層がガバナンス、コンプライアンスを保つことは非常に重要だ」としつつ、「事業者のコンプライアンスは審査になじむものではない」
再稼働とは直接関係がないという答弁です。
馬淵さん「原発政策の根幹にかかわる問題ではないか」
安倍首相「関電の利用者に不信を持たれている事態は重い」

 関電、関西だけの問題でしょうか。今日の政府、矮小化する姿勢ばかり。馬淵さん、最後に関電社員の声を紹介しました。働く人のためにも、上層部はウミを出し切らなければ。政府・与党も全力を。

立憲民主党の質疑

川内博史さん

 今日のラストバッター、立憲民主党の川内博史さんです。今日は野党会派「立
国社」から4人が質問していますが、立憲民主党の議員は川内さんだけです。持ち時間10分。

 川内さんが注目しているのは、昨年、2018年12月の国の関電への監査。
川内さん「監査が不十分だったことはお認めになるか」
菅原経産相「監査能力は、お声は甘んじて受けたいが、関電から報告がなかったことが事実。報道が出るまで全く経産省・エネ庁に報告を入れていない、言語道断だ」
川内さん「関電に言語道断だと言っているが、私は経産省も言語道断だ」

 関電経営者の「被害者面」が批判されましたが、私、山岸一生は経産省の「被害者面」こそ不安です。このまま再稼働を任せていいのでしょうか。事故の後「だまされた」と言っても遅い。

  川内さん「国民からすれば『大丈夫なのか』と」

 「また明日朝 to be continued」 川内さんが質問を終え、委員会が終わりました。

 今日は記録の意味もあり、やり取りを多く紹介しました。

 関電疑惑は原発の安全性にかかわる問題。

 政府の小さく見せようとする姿勢、不安です。

 明日も、お伝えします。ありがとうございました。

山岸一生の編集後記

 長文のブログになってしまいました。最後までご覧いただきありがとうございます。

 今日、10月10日は菅直人さんのお誕生日。菅直人さん、お誕生日おめでとうございます!

 台風が接近しています。皆さん、くれぐれも万全の注意をされてください。

 それでは、立憲民主党の山岸一生でした。