2020/04/28
みなさんこんにちは。
立憲民主党・衆議院東京都第9区総支部長(衆議院の、東京9区(東京都練馬区)の、立憲民主党の立候補予定者・立憲民主党の公認で、衆議院東京9区に立候補し、候補者になる予定)の、山岸一生です。
今日、2020年4月28日に行われた衆議院の予算委員会。
少し久しぶりになりましたが、実況解説しました。
ブログにまとめます。
分かりやすい実況を心がけましたので、お付き合いください。
なお速記の性格上、発言の趣旨は押さえていますが、一言一句正確ではありません。
ご了承のうえ、ご覧ください。
目次
衆議院予算委員会です。
与党の質疑の後、立憲民主党の枝野幸男代表が質問に立ちます。
給付金は、休業補償は、家賃支援は。
私たちがとにかく「今」を生き延びるための、働き続けていくための、対策を徹底的に質問します。
立憲民主党の枝野幸男さんの質問です。
枝野幸男さん「第二次世界大戦終結後、最も深刻な危機の中に私たちの社会はある。難局を乗り切るのに必要なことは、与野党の違いを超えて協力は惜しまない。」とした上で、足りない点は指摘していき「命と暮らしを守るために全力」をあげると述べて、質問に。
まずPCR検査から。
PCR検査について、枝野幸男さんが質問していきます。
枝野幸男さん「2020年2月25日の予算委員会で、検査件数を尋ねた。3,800件の能力があるとの答えで、実際の検査は900件。昨日の総理の答弁は、15,000の能力(がある)、実際の検査は8,000件。2か月前と変わっていない、(PCR検査を実施する)条件が厳しすぎるのではないか。」
そして、枝野幸男さんは亡くなった著名人の事例へ。
亡くなった岡江久美子さん、志村けんさんの事例を引きます。
枝野幸男さん「岡江久美子さんは容体急変、その後のPCR検査。志村けんさんも、倦怠感の2日後に肺炎の診断、PCR検査での陽性判明はさらに3日後。」
その上で、検査体制に疑問を呈します。
枝野幸男さん「指示に従って4日我慢した、検査を断られた、電話がつながらない人が多いと、色々なところから伝えられている。必要がありながらPCR検査を受けられない人がいるのではないか。37.5度以上の熱発が4日以上継続(しなければ検査しない)という基準は、変えるべきではなかったか。総理は責任を感じないか。」
この枝野さんの質問に対する安倍総理の答弁は?
安倍総理「PCRは検査能力を上げていっている。2万まで上げたい。医師が必要とした方は、PCR検査が受けれるようにしていく」
この答弁、まるで2月の国会を見ているよう。
枝野幸男さん「2か月前の繰り返しだ。現実にPCR検査を受けられない、孤独死される方も出ている。PCR検査を受けられる人を広げるように基準を変えたらいいじゃないですか。」
安倍総理は、PCR検査について加藤厚生労働大臣に答弁を委ねる場面が目立ちます。
枝野さんは「安倍総理のリーダーシップが発揮されていない」と指摘して、同様にリーダーシップが発揮されていないケースが「10万円と30万円」の問題だとして、次のテーマに入ります。
給付金をめぐる政策の混乱です。
枝野幸男さん「私たちは『自粛や休業と補償はセット』と言ってきた。政府は10万円の代わりに30万円を止めてしまった。10万円は評価したい、しかし突如の変更だ。」と混乱を批判します。
枝野幸男さん「総理辞めなさない、なんて言いません、この緊急事態に。(今後も色々と)遅れていく不安があるから申し上げている。」
枝野さん、「今、政治は何をすべきか」語り起こしていきます。
まず「命を守ること」を大前提としたうえで、暮らしを守れ、と言います。
枝野幸男さん「間違っても自粛の結果、自死を選ぶ人が出ないよう。これが究極の目的だ。」「分かち合うことが、政策を進める上での哲学だ。」
安倍総理「困難な方に、政治は光を当てることが重要だし、そういう方々の生活を支援することは重要だ。」
安倍総理は、あくまで「困っている人を助ける」という考えなんですね。
枝野さんの「哲学」は、「一番厳しい人を支える社会こそ、誰にとっても安心な社会だ」というものです。
続きます。
枝野幸男さん「コストを社会全体で能力に応じて負担し、リスクや負担の多い人ほど厚く支援する。この哲学を明確に掲げ、政策を進めていただきたい。私たちは、一番厳しい人をみんなで支えましょう、その哲学で提案していく。」
「困っている人を助ける」のか「みんなで支えあう」のか。
安倍総理と枝野幸男さん、2人の哲学の違いが見える。
枝野さん、ここで具体例を挙げます。
枝野幸男さん「10万円の給付を急ぐ、この選択は妥当とするが、それだけでは足りない。自粛の減収分をしっかり補償する。200万円の持続化給付金では足りない人がいる。少なくとも倍増ぐらいして、とにかくつないでいく。強く提案する」
枝野さん「その上で特に厳しい人について2点」、提案します。
枝野さん、アルバイト学生への支援について独自の提案をします。
「持続化給付金」の活用です。
枝野幸男さん「アルバイトで『学業』という事業を継続できるように、例外的に持続化給付金を使いませんか。明日のお金に困っている若者たちを(守る)」「指針を変えればアルバイト学生に出せる。学生を救いませんか、総理。」
この枝野幸男さんの「提案」に安倍総理はなんと答えるのか。
安倍総理「すでに新制度で、学生生活の費用をカバーするのに十分な給付型奨学金を行う。お話の持続化給付金は、中小小規模事業者が対象で、学生アルバイトは含まれていないが、雇用調整助成金は含まれており、雇用者に活用をお願いしたい。」
残念ながら、安倍総理は枝野さんの提案には応じませんでした。
枝野さん、今度は別の提案をします。
「災害救助法」を当てはめることです。
枝野幸男さん「教科書やノートに代わる通信機器、手に入れられない人たちに、『学用品供与』の目的で提供できるのではないか。災害救助法を適用して、やりませんか。」
災害救助法なら、自治体も使い慣れており、素早い対応が期待できます。
この枝野幸男さんの「提案」に政府はなんと答えるのか。
西村新型コロナ対策担当大臣「内閣法制局と相談したが、『災害』と言うのは難しいとの判断をいただいた。他方、できることは、今回用意している地方創生交付金で、都道府県知事がすべて対応できる。」
枝野さんの提案に、こちらも残念ながら応じませんでした。
枝野さん、本当に地方創生交付金で足りるのか?と続けます。
枝野幸男さん「自治体は、災害救助法なら政府から支援があると分かる。使い慣れているから。しかし今回は地方創生交付金。しかも1兆円。これでは全然足りない。」
支援したくても、自治体が尻込みしては意味がない。
自治体の背中を押す予算でなければ。
枝野さんは「5兆円ぐらい用意しておいて、余ったら残せばいい。」と「提案」します。
枝野さんが、最後に要望します。
枝野幸男さん「岸田さん(岸田文雄自民党政調会長)の質問で『性善説に立って』とあった。私も求めたい。具体的にやってください、各役所を通じて。」
役所の窓口が「性悪説」で厳しい審査を課すあまり、手続きに手間取り、お金が届かない。
そうなってしまったら、今は、間に合わない。
枝野さんの
「お一人の不正を恐れて、100人の命を失うことがあってはならない」
この一言に、尽きています。
枝野幸男さん「例えば、雇用調整助成金が遅れているのは、申請手続きをする社会保険労務士さんが連帯責任。(不安なので新しい依頼に)付き合えない。会計監査を恐れて、行政機関は厳しくチェックする。」
枝野さん、1時間近くの質問、最後は「正常化バイアス」について取り上げます。
枝野幸男さん「政府は正常性バイアスに陥っているのではないか。被害が予想される状況でも、日常の延長としてとらえてしまう、都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりすることで、対応が遅れる。常に『最悪を想定する』ことが必要だ。」
枝野さんは「私も、9年前、いやと言うほど痛感した」と話します。
枝野さんは、東日本大震災の際の官房長官、経済産業大臣です。
枝野幸男さん「最悪を想定したつもりだが、現実は想定した最悪よりも急速に悪化した。忸怩たる思いでお詫びを申し上げる。(安倍政権は)今も正常化バイアスに陥っていないか。」
さて、枝野さんは何を指しているのか。
枝野幸男さん「補正予算に1兆5千億、『GOTOキャンペーン』。新型コロナウイルス収束後に、旅行や飲食を振興しようと、考えておくのはいい。でも、正常化バイアスに陥っている象徴ではないか。急がない予算の執行は止めて、2次補正3次補正に備えて、財源を確保しておく判断が必要ではないか。」
「お肉券」「お魚券」なんてのもあった。
※この枝野さんの質問に対して、自民党席から石破茂さん、小野寺五典さんが大きな頷きをしていた、とTwitterのリプライで教えていただきました。
枝野幸男さん「正常性バイアスに陥っていないか。その象徴がこの『GOTOキャンペーン』。この予算は棚上げする、本予算の急がないものは執行停止する、これが最悪に備えてやっている姿勢ではないか、総理。」
枝野さんが提案します。
安倍総理はこれに対して、「我々は決して正常性バイアスに陥ってはいない。」と言い切ります。
安倍総理「例えば一斉休校を要請したが、必要無いと言われた。(しかし)学校で集団感染を避けなければと、その後、日本以外も措置を講じている。」
安倍総理が、一斉休校は「成功体験」と考えていることがよく分かる答弁です。
しかし、これで官邸が独断に自信を深めた結果、アベノマスクや10万円の混乱を生んだ。
初期の小さな成功体験にこだわって「大丈夫、俺たちは間違っていない。」と考えているうちに、局面の転換に対応できない。
安倍内閣はそんな「新たな正常化バイアス」に陥っているのではないでしょうか。
さて枝野さん、最後の発言です。
枝野幸男さん「残念ながら、最悪の事態に全力を尽くしているのか疑義を持たざるを得ない。提案しながら、厳しく指摘し、協力すべきは最大限協力する。」
枝野幸男さんの質疑が終わりました。
次は野党共同会派の渡辺周さんです。
野党共同会派の渡辺周さん、在日外国人にも感染防止の徹底を求めたいと発言します。
渡辺周さん「在日外国人の宗教行事がクラスターになるのではないか。差別やヘイトを生んではいけない。ぜひ同じように(感染防止を)徹底してほしい。外国人クラスターが出ないようにするためにもお願いすべきではないか。」
安倍総理「マレーシアなどでもイスラムの礼拝所において感染が確認されており、注視している。現在、国内、東京のイスラム施設においては集会は自粛されていると承知している。」
渡辺さんがイスラムを例に挙げた流れだったとはいえ、イスラムに限定してリスクが高いかのような答弁はやや疑問です。
新型コロナウイルスの危機は、あらゆる国籍・民族・宗教を超えた人類共通の危機です。
特定の宗教だけリスクが高いかのような偏見・差別につながる言動は、厳に慎みたいと思います。
私、山岸一生が実況解説した質疑が終わりました。
野党の「提案」に、政府が即断する場面はありませんでした。
私たちは、これからも「提案」を続けていきます。
午後は、私、山岸一生も、衆議院東京9区、東京都練馬区 で、人と接触しないでもできる活動を、続けていきます。
皆さん午後もお元気で。
Twitterでの実況解説でも書きましたが、今日の衆議院予算委員会の質疑では、新型コロナウイルス危機での「政治の役割」について
という二つの考え方がぶつかりました。
あなたはどう思いますか?
安倍総理は、上述の「1」。「気の毒な人を助けてあげる。」。
安倍総理は「困難な方に光を当てること、そういう方々の生活を支援することは重要」と語りました。
あくまでも「自分以外の気の毒な人を支援してあげる」という視線です。
一方、枝野幸男さんは、上述の「2」。「みんなでお互いに支え合う。」。
枝野さんは「私は『一番厳しい人をみんなで支えましょう』との哲学で提案していく」と語りました。
繰り返します。
似ているようで、まるで違うのが1と2。
私、山岸一生は、今、明確に「2」を打ち出すことこそ、皆さんの安心につながると考えます。
1の考えでは、どうしても「その人は助けてあげる必要があるのか。」「その人は困っていると言うが、ズルをしていないか。」と考えてしまう。
今のような危機では、その結果、手遅れになりかねません。
今日、安倍総理は野党の「提案」に、「すでに○○という支援策がある」と強調するばかりでした。
それでは、誰もが困っている今、対応しきれません。
一方、「2」の立場だと、「誰もが、いつ、どうなるか分からないのだから、とにかく現状で一番厳しい人に合わせて、制度を考えよう。」となります。
枝野さんは、アルバイト学生への持続化給付金の支給や、学用品配布への災害救助法の適用を提案しました。
いずれも制度論としては例外的なものですが、「あったらみんなが助かる」提案です。
私たちはこれからも、「一番厳しい人を支えることこそ、私もあなたも、誰もが安心できる社会」という「2」の考えに立って、提案を続けていきます。
最後になりましたが、枝野さんのツイートもご紹介します。
「互いに支え合う社会」。
最後までご覧いただきましてありがとうございます。